平成22年度「子どものための優れた舞台芸術体験事業」

ネットワーク栃木・群馬代表 和久文子さん

感動を生演奏で

「子どものための優れた舞台芸術体験事業」は、洋楽・邦楽、またはコラボレーションと、ネットワーク音楽指導員の演奏や指導・企画・構成力を存分に発揮できる事業です。
私達ネットワーク栃木・群馬が昨年行った中で、中学校の一例を報告します。
南犬飼中学校PTA教養部会主催「邦楽・洋楽によるミュージックコラボレーション」
出演 (箏)和久文子、(尺八)福田邦智、(ソプラノ)中山眞理子、(ピアノ)澤村恵子
PTAの教養部会では、生徒保護者共に楽しめる音楽会を、と言う希望を出した所、前年度に栃木市吹上中学校で同じメンバーによるステージをご覧になっていた先生から推薦を受け、私達に依頼することに決めたそうです。

PTA役員の方との事前打ち合わせで、(1)中学生や保護者の多くが知っている曲も取り上げて欲しい(2)演奏者と中学生が一緒に歌える曲を入れて欲しい、との要望を受け、プログラムを組みました。
一曲目は洋楽・邦楽コラボレーションメドレーで、NHKの合唱コンクール中学校の部の課題曲『手紙』からスタートしました。次に季節の歌として『夏の思い出』と、リクエストのあった『千の風になって』。編曲は箏、尺八、ピアノ、ソプラノ、と自分のパートをそれぞれ演奏者が担当し、数回の合わせの度に手直しをして作り上げました。
二曲目はソプラノ独唱で、シューベルト作曲の『アヴェ マリア』。
三曲目は、オペラアリアの中で、日本人に最も良く知られた曲として、プッチーニ作曲オペラ“蝶々夫人”より『ある晴れた日に』。このアリアに至るまでの物語をおおまかにまとめ、説明してから歌いました。
四曲目、ピアノ独奏でモーツァルト作曲『トルコ行進曲』。
続いて、箏と尺八による邦楽の演奏で宮城道雄作曲『春の海』。次にそれぞれの楽器に対する説明が行われ、その後中学校教材に入っている『六段の調べ』。そして箏と尺八の二重奏で、沢井忠夫作曲『上弦の曲』を演奏しました。
最後に四人で演奏し、生徒さんと『翼をください』を合唱。森山直太郎の歌で有名な『さくら』を演奏し、終了となりました。

コンサートが終わった後、少し離れた席で聞いていた生徒さん達が舞台に集まってきて、「CDで聞くのと全然違った」「お箏ってすごいね」「歌ってすごいんだね」と口々に言ってくれました。どの生徒さんも満面の笑みを浮かべて駆け寄ってきて、しばらく身動きがとれませんでした。PTA役員の方は「生徒たちが最初から最後まで興味を持って聴いていた」とその集中力に驚かれた様子でした。
CDの音に慣れた子どもたちにとって、生の演奏に触れることがこれほど強い印象を与えるのだと、体験事業の大切さを痛感したコンサートでした。