平成22年度「子どものための優れた舞台芸術体験事業」

ネットワーク・京滋 顧問 小島律子さん

活動の場を自分で切り開いて

平成13年度の生涯学習音楽指導員C級講座を受講したとき講師の先生が言われたのは、自ら動くこと、特に「自分の名刺を作ること」と「居住地域の学校に電話をすること」でした。「活動の場を自分で切り開くことが大切です」という言葉を受けて、指示されたとおり〈校区への電話〉を、錦林小学校に入れたのが今の活動の第一歩となりました。電話がきっかけのボランティア活動が、文部科学省受託事業「地域子ども教室推進事業」につながり、《錦林KIDSお箏クラブ》として今も活動を続けています。
また同じ学区の岡崎中学校では秋に「無窮講座」という、地域に住む専門家を講師に招いて半日講座を催していることを知りました。「無窮講座」講師は全くのボランティアですが、内容が多彩で、講師は嬉々として地域の中学生と専門によるふれあいを楽しんでいます。私も平成17年11月からこの講座の一つとして箏の体験教室を始めることになり、毎回10人前後の男女中学生に箏の歴史や構造の簡単な説明と演奏指導をしてきました。

5回目にあたる平成21年に、「来年は『子どものための優れた舞台体験事業』として箏のコンサートを、全校生徒対象にぜひお願いしたい」というお話を頂き、平成22年11月9日午前11時から「無窮コンサート」を実施しました。その日の午後1時からはいつもの「無窮講座」での指導というスケジュールでした。
初めて伝統音楽を聴く生徒が対象であることを考え、「無窮コンサート」はいわゆるレクチャーコンサートとして、説明をいれながら演奏していくという形をとりました。

プログラムは次のようにしました。
(1) 「六段の調」 校区に作曲者八橋検校の菩提寺、墓があることを説明にいれ親近感を喚起させる
(2)「鹿の遠音」 尺八独奏
(3)「瀬音」   錦林小学校6年授業で宮城曲「春の海」を演奏しているので他の宮城道雄曲として
(4)「螺鈿」   昭和後期に活躍の沢井忠夫作曲の箏2・十七弦の三重奏曲
(5)「島唄」
(6)「岡崎中学校校歌」
年代順に曲をならべ、最後は耳になじんだ曲と学校校歌をいれることで邦楽器への可能性の理解も持ってもらいたいと意図しました。

体験した生徒達の感想は「本物の演奏が聞けてよかった」「箏の演奏は今まで聞いたことのないような、現代的な曲もあってとても楽しめました」等とうれしいものでした。
これら地域での活動を続けるうちに、もっと日本人として自国の歴史や文化をよく知り、誇りをもって進んでいってと切に願うようになりました。その願いのほんの一端を箏などの邦楽器を通じて伝えられたらと思っております。

イメージ01イメージ02イメージ03